「戦」という字とコロナウィルス2020年04月12日 01:25

世界中の政治家が「これは戦争だ」「この問題は戦争のようなものだ」「もはや戦争状態と言って良い事態」と、やたら「戦争・戦争」と口にするようになったのは、仏・マクロン登場あたりからか?
いや、もっと早かったか…?
トランプは「戦争」を好んで口にする。
大国も小国も、トップに立つ者は、強権色が強ければ強いほど、好んで口にする、「戦争」と。

世界中が「いまや世界はいつ第三次世界大戦=人類にとってはおそらく『最終戦争』に突入してもおかしくない!」という異様な緊張状態に、汎世界的な情報化社会の繁栄の陰で、陥っていた。

日本政府もそれまで「対策」が公用語であったジャンル全てを「戦略」と改悪する、おバカっぷり、品のなさである。

「国家戦略」
…オイオイそんなに「戦」という字を日常用語にしたいのか。

大正デモクラシー後の、軍部に握られて「日本国そのものが右傾化し、狂気に走っていった」あの軍国主義世界の悪夢を感じ、私は「戦略」という単語を目や耳にするたびトリハダが立った。
「この国はあぶない…」

しかし、コロナは突然世界を覆った。
もはや「戦争」どころではない。
世界中の国々が悲鳴を上げている。

人と人がかかわるから「戦争」なのだ。

国と国が争うどころかオール鎖国状態になり、直接的・間接的「武力戦争」以前に、人々は感染し、死んでしまう。
空母なんて「巨大な死の船」だ。
もはや伝染病が猛威を振るった中世暗黒時代に逆戻りだ。

どうすれば感染を防げるか。
人と人との濃密な接触が禁止され、学校も企業も都市も市場も、「人の集団」として機能していたセクションはみなストップ。

北イタリアに暮らす日本語教師の友人は、今後「青春期に集い、語り合い、協力し、時には対立し、結束し、共に学ぶ」ことによって発達する「人間の、自分の人生を生ききる能力」を培う「学校空間が」、間引きと遠隔授業により崩壊してしまうのではないかと懸念している。
自身も自宅で実質軟禁状態の不自由な生活の中、
「100人教室に距離をおいて20人しか入れない空間で、授業をどう成立させるか」
と真剣に悩んでいる。

そっと声をかけた。
「今夜は世界中満月、しかも珍しい『スーパーピンクムーン』ですよ。日本人だったら『お月見』しましょう!」

「窓の外から、月の光が飛び込んできました、翌朝はお日様が輝いていました!」
とのこと。

世界の中でも「月・太陽・星」をわざわざ「おつきさま・おひさま・おほしさま」と等人格化する日本民族は珍しい存在である。それが日本のDNA。

日本人なら民放テレビのワイドショーで「『政治家役の演技者でしかない安倍晋三』の顔と仕立ての良い背広」を延々眺めるより、窓を開けて日の光を浴びましょう、月を眺めましょう、ニュースはラジオか朝晩NHKTVで一度、あとは新聞で充分です。

ところで4月25日に緊急出版されるイタリアの若手作家パオロ・ジョルダーノの「コロナの時代の僕ら」はちょっと興味深い。
出版は、えーと、早川、かな?1430円。
内容詳しくはAmazonで。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック