なぜ「やまゆり園」から文明を説いたか2020年04月01日 03:05

 私は、分析者としてはかなり穿った「冷たい刃(やいば)」の持ち主だと自分で思いますが、思索の面においては「かなり熱い」のではないかな、と最近考えるようになりました。若い頃の自己確立のとき傍らにあったのが「萩尾望都」だったり、経験論哲学の「森有正」だったりしたのが根幹を成している、その延長線上に自分なりの人生のルールを築こうとしてきたから、ではないかなと、自分自身を振り返って感じます。
 考えることは、人生において「ぼーっとする=無駄な時間」ではありません。ぼーっとするからこそ、内面が深く掘り下げられるのです。
 1日の経験を通貨換算して「プラスマイナス」で幸福度を決定してしまう、「よく消費した、あるいは効率よく消費した1日=よい1日だった」と、金額換算して自分の幸福度を決定し続けることほど空しいことはありません。
 現在日本に見られる、キャッシュレスで「スマホで買い物して、スマホの機能で家計簿つけて」、それで「効率的な1日」を追求してしまう、人生をデータ化してしまうことの危険性は、文明の衰退期だからこそ大きいのです。

 「人生」は誰にとっても「物語」であるべきです。誰もが人生における「主役」であり「演出家」です。それは、どのような身体・精神・知的障がい者にとっても同等なことである、と私は考えます。だから「やまゆり園」の事件に立ち止まり、宮城まり子さんに思い致すのです。

 若い頃の私は、あまりにも貧しくて、自分自身の収入と消費の分析のために「エンゲル係数」まで計算していました。それは「漫画家」というフリーランスの人生を歩むために、絶対必要な「試練期」でした。
 しかし今現在の私は、経済的には困難ですが、エンゲル係数を計算しようとは思いません。信頼と経験の上で消費活動し、割引のパーセンテージは必要以上に求めないのです。「投げ売り名物のスーパー」に足を運ぶことは、意図して避けています。「今日一日で何円節約したか=一日の達成度」に換算してしまうことが、巨大資本主義産業・消費機構の日本において「危険」だと感じるからです。 
 コマーシャルでは「ペイ、ペイ!」と目先の割引率」が喧伝され、それに乗らない者は人生で損をしているよ、と、あざ笑うような風潮が見られますが、そんなもの「与党と経済関係者・金融関係者が勝手にでっち上げてマスコミに乗せたた『期限付き』の、『まやかしの幸福』」でしかありません。
 健全な消費は自己管理の延長線上に成立するもので、その「自己」とは「血の通った、思索する、そして自分自身の人生に『物語』を求める・一個人」です。
 
 確かに、ローンや育児を抱え、効率優先で目端の1円にこだわらなければならない時期も、誰の人生にも起こりうるものです。
 しかし、世界的共依存生産体系に生きる私たちですから流通の確保はもちろん大切ですが、自分の生活地域で生産・消費し、楽しみ尽くすことこそ、地理的に特殊な「人口の密な島国・日本」に生きる人間として、求められることではないでしょうか。
 地域に生活し、流通システムを健全・公平に維持し、その土地での経験を基として模索し、消費し、生活を営む。その健全性こそが、これからの、困難期の私たちに求められていると思います。

思い出まくら2016年01月12日 02:52

前の代のがだめになって、母から枕をもらったのだが首にあわなかった。
あぁ~・・・・

小坂恭子の「思い出まくら」は、能の「枕慈童」とそっくりじゃと、ふと気づく。
帝より賜った枕一つで、「ああ、帝のあんなとこもステキだった、こんなとこも好きだった」と思い出しているうちに、深山幽谷、なんと800年の長寿を得てしまうというもの。
恋の思い出にひたると、時間はあっという間である。
つるかめ・・・

37800円の奥歯2015年08月10日 21:15

歯医者通い、半年にしてやっと左下の奥歯が入った。
あんまり期間が長かったがかかったので、
「型どり」した状態から1本抜いた分歯列が乱れ、歯が動いてしまい、
いざ「できあがった歯」を入れようとしたら
横は削るは上は削るは微調整に1時間、歯医者椅子の上で
口を開けて「入れては取り出しまた削り」を繰り返し、
「また歯石たまりましたね」
「出来やすいのはナゼでしょう、先生」
「舌の下からよだれがたくさん分泌されるからですよ、石灰質ふくんでますから」
「因果な体質ですね」
「いや、口腔ケアにはそれが理想的なんです」
「それにしては、子供の頃から虫歯になりやすい体質で…」
などと、あいだに歯医者さんと話をしていたのだが、

…心当たりがある。
歴代の恋人(男も女も)が、みな「キスの名人」だったのだ。
これに関しては遠い昔、あるところで書いた「運び屋さん」というエッセイを読んでいただくのが一番手っ取り早い。

で、探してきました「運び屋さん」

「伝染るといえば、虫歯のミュータンス菌、これはぬか床と一緒で、各人各様なんだそうで
すな。 歯医者に勤めていた友人が教えてくれました。
生まれたばかりの赤ちゃんは無菌状態なので、最初はお母さんお父さん、お祖母ちゃんお祖父ちゃん、(固いものを噛んで食べさせてあげりすると伝染るそうな)それから保育園や幼稚園の友達(遊んでるうちに唾液から伝染るそうな)、長じてはえ~、年齢はまちまちでしょうが~あんなこととか~こんなこととか~で、伝染るとか。
え?
あ、まあ「食べかけのものをもらった」とかもアリですけど~、もちょっと大人の、ね。
おつきあいというか、なんとゆーか・・・(笑)
      
さあっ!
あなたは過去何人にミュータンス菌を伝染した(伝染された)でしょーかっ!?
「それまで虫歯なんてなかったのに、あの人とつきあってから前歯が・・・」
というあなた、はい決定。
「あの人の想い出はみんな捨てたのに、奥歯が・・・・」
というあなたも、伝染ってます。
「あんちくしょーと別れて以来、虫歯知らずよ~」
というあなたもたぶん・・・・・(笑)
   
しょせん人間は遺伝子と菌の運び屋。
「アデュー」
と言って別れても、歯にはしっかり愛のメモワールが残っているのでございます。」

ね、「口腔内ミュータンス菌ぬか床説」。(自分で名付けた・笑)

歯のケアは大切に!

…それにしても…
前の先生の時は
「あ、この歯なら1万円ですね~」
だったのが、先生が代替わりして
「それ勘違いです。37800円の歯です」
ということがわかり
3.78倍の領収書をもらってきたのですが(チクショー!)
「上の歯は6万円ていうお話でしたが…」
「う~ん、下の歯がインプラントですからね(その頃はお金があった)
素材を合わせるとなると10万円の可能性がありますが、
まだ治療を始めてないので、これからの話ですね」
抜くだけ抜いて仮歯のままカンボジアにボランティアに行っちゃった
「先代先生」を恨んでも仕方ありません。

ただね、うち今アルバイト生活で日給5000円。
勤務先が養護学校なので「8月お休み」つまり今月収入0円。
さあ、やりくり算段が始まるぞ、次はどの本を売ろうか…

…ぶつくさ…

BOOKOFF値段の不思議2015年07月16日 23:08

「軍靴のバルツァー」買い取り価格1冊5円。
「森有正エッセー集成」40円(Kindleが出る前はAmazonで1冊5千円もしたのに)
「二十四の瞳・デジタルリマスター」1400円Amazon価格5500円
一番分かんないのが「テルマエロマエⅡ」1600円。
Amazon価格はレンタル墜ち450円~
…ブックオフ、古本市場を破壊しておいて、何考えているのかワカラン。

しかし「森有正エッセー集成」をKindleで読む人の気持ちが分からない。
哲学書だぞ。分厚いの5冊組だぞ。
行きつ戻りつも出来ず、付箋も貼れないKindle。
これは知性と言えるのか?

森有正は2組持っていた1組を売ったモノ。
私は漫画家志望の女の子の伴走者を務めることになっていた。
漫画家には、宗教は必要なくても(基礎知識として知っておく必要はもちろんある)哲学は必要である。とっつきがよくてあたりの柔らかい森有正を準備して送ろうと思っていたのだが、彼女は「新しい原稿をみせる」という約束を守らなかった。
よって「見込み無し」として縁切り。取り寄せた本達はあえて「売却」。

う~ん、残念。

そう、血反吐吐いても間に合わせる…じゃなくて、3月末に原稿はもうできていたの!
単に5/13に約束しておきながらコピー送ってこなかっただけで、こんなやる気のない子の面倒みられない!
コンビニは徒歩2分、郵便局は徒歩5分なのに!
今の漫画家志望者の気持ちがわからないわ…