アラジンの魔法瓶2011年10月08日 15:13

先日、若い友人がアラジンの携帯魔法瓶を買った。
昔と変らぬ赤のタータンチェック柄である。
これは上等でロングセラーの印。
私が中学・高校と横浜の、港のそばの女子校に越境通学していた頃の必需品であった。

寒い多摩丘陵から朝星夜星、朝5時半起きの毎日である。
お昼は地下の用務員室で給湯器のお湯を各クラス大きなやかんに2つもらって、クラス費で買った緑茶を飲むのであるが。
みんなそれぞれにカップを持っていて、「玄米茶」を買うと修道女に「贅沢はいけません」と叱られた・笑。

小ぶりな魔法瓶にはいつも薄甘い紅茶を入れていった。休み時間や放課後に飲むのである。
各階にウォータークーラーがあったのであるが、遠距離通学の私には深い休息が必要だった。

よく友人たちと飲んだ。飲みながらたわいもないおしゃべりをした。
高等科に上がる頃には悪知恵もついて、制服のジャケットの内ポケットにミニチュアボトルのミントリキュールやブランデーをしのばせて、紅茶に落として飲んだ。
場所は人目のない塔の上り階段や、港を一望できる屋上だったりした。
「持ち物検査」などという発想のない、おっとりした学校であった。

コーヒーを持っていくときは移り香があるので、別の焦げ茶色の魔法瓶を使い、これは今考えるととんでもない事であるが、早朝の生徒会室で飲んだ覚えがある。
先輩方と、授業前に、ウィスキーを垂らして飲んだ。
とんでもない不良生徒であるが、木を隠すには森の中、まさか生徒会室で、ミニチュアとはいえ、ウィスキーのボトルが回されているとは、学校は毛ほども思わなかったであろう。
なにしろ先輩方は学年トップの成績を誇る秀才揃いであったのだからして。
(私はナゼか上級生からものすごくかわいがられたのであった。「変わり者」だからであろうか・笑)

36年選手の魔法瓶は今も堅固で、実家で煮豆を作る時の、豆のふやかしに使われている。
私の手から母に渡り、そしていつかは、また私が使うのであろう。

しっかりした造りの上等品は、日割り単価にしてみればとっても「お安い」のである。

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