投書っぽくまとめるなら2011年08月27日 16:28

筆の立つ友人がいる。
書くものどれもユーモアとウィットにあふれ、長さも程よく、うらやましい。
(私は長すぎる悪癖がある)
その人の書いた文章の末尾にこんなのがあった。

「投書っぽくまとめるなら、いささか反省した次第である。」

大笑いして、コメントの最後に
「投書っぽくまとめるなら、おおいに困惑しているのである。 おわり。」
と書いたらウケた。

彼女曰く
「投書でしか見かけない言い回しってありますよね。『××であると思うが、どうか』とか。」
なるほど。あるある。
思いつくままに並べてみた。

「いかんともしがたい思いでその場を後にした。」
「人生まだまだ捨てたものではないな、と思った。」
「ささやかだが、これが私の幸福である。」
「さあこれからだ、何が来ても怯(ひる)むまい。」
「いささか投げやりすぎたかなと反省した次第である。」
「『年甲斐もない』と言われようと、せめて気持ちだけは若くありたいものである。」
「情けない話だがいつの世も、泣く子と地頭には勝てぬ。」
「とかく浮き世は金の話ばかり、なさけないにも程がある。」
「この笑顔ひとつで、イヤなことはみんな吹き飛んでしまう私である。」
「このままでは八方ふさがりだと心中穏やかではないのだが、いかがしたものか。」

これらの表現はたいがい「である調」なのである(笑)が、文章をはがき一枚の投書にまとめようとすると、「なーんちゃって・笑」は使えないのである(笑)。

私の文章は硬い。
それをうんうんうなって、語尾や言い回しや「(笑)」でなんとか柔らかく揉みほぐそうとするのだが、そうそう思うように上手くはいってくれない。
「(笑)」、「(苦笑)」は、「顔文字・絵文字を使わない主義」の私が精一杯ひねり出したもの。

投書っぽくまとめてしまえれば、楽は楽なのだけれどもね、金太郎飴は嫌いなの(笑)。

コメント

_ 本人 ― 2011年08月30日 06:02

しかし、それまで「です・ます調」だった私を一夜にして「だ・である調」に変えてしまった向田邦子の「父の詫び状」ってすごいなー。ただいま青木玉さんで文章を柔らかく揉み込み中です。

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