羊皮紙2013年02月03日 06:46

日本における「羊皮紙研究」の第一人者、八木健治氏の講義を受けた。
(しかし徹夜に近いハンボラケであった。近所の薬局に寄ってカフェインドリンク飲んで。)
実物の羊皮紙や、それを製本したものを手で触れるという!
私はとにかく「紙」が好き、いままでお目にかかったことがない「羊皮紙」と聞いただけでカルチャースクールの「会員外」の用紙にサインしていた(笑)。
おもしろかった、最前列に陣取った甲斐があった。
前半1時間は羊皮紙の製造工程。
別に「羊」じゃなくてもいいのね、仔牛のもの、ヤギのものなどいろいろ見せてもらう。
皮から毛を剥ぎ、脂を抜いて(油汚れに強い「ジョイ」が最適とのこと。)木枠に引き張り一丁上がりである。
触らせてもらい、ペンは羽ペンだが、実際に使用するには羽毛のフサフサがじゃまで、剃って一本棒のようにして使用していたことなどなど、興味深い。
中休みにはヨーロッパ中世の祈祷書や五線譜ならぬ四線譜のイタリア修道院の聖歌隊楽譜など、じかに触れられる心踊るひととき。
しかし後半は画材談。同じだもん、日本画と。膠と岩絵の具、金箔。
羊皮紙の製本技術(リリュール)に話が行くかと思ったが、それはパスであった。
(私は一応、栃折久美子さんのリリュール技法の本を読んで、簡単な講習を受けて、文庫本をハードカバーにするくらいの製本はできるのだが。)
辰砂が高いのは日本も同じ、群青に緑青、貧乏な画学生の頃は手が出せなかったが、ああ、ヨーロッパでも高価なモノは高価なんですねー。
「辰砂なんて、1さじ3千円ですもんねー、同じ、おんなじ…おん…」(爆睡)
こっくりこっくり、先生にはホントに申し訳ないことをした。
が。
同じ講座が定期であったら、きっと受けるね、私は!(そして後半を取り戻すのさ、リリュールと一緒に。)

悪筆2013年02月06日 09:57

私は悪筆過ぎて自分で書いたものを自分ですら読めない。
…自分でメモして、メモするくらい大切なことなんだろうと脳みそ振り絞っても解らない。
近目遠目で見てやっとわかった、「鯛焼き3ツ」ってかいてあった。

雪の日は犬飼いたいなあと思う2013年02月06日 10:17

雪の日になると無性に犬が飼いたくなる。
「初雪や 二の字二の字の下駄の跡」は田 ステ女(でん すてじょ)の有名な句だが
「初雪や ポチと歩けば 梅の花」
は、だれの句だったっけ?

息子が同性愛者だとわかったときの、ヨーロッパの家族いろいろ2013年02月08日 14:06

イギリス:家族会議を開く
イタリア:みんながマンマ・ミーアの意見を求める
フランス:父親が「勘当だーッ!」と叫ぶ
ドイツ:父さんが「そうか。」と言う

言の葉を交わす2013年02月17日 14:27

私、人と仲良くなるの上手な方だとおもいます。
別に「社交的」ってわけじゃありませんが。(むしろその逆かも・笑)
乗ったタクシーの運転手さん、スーパーのレジのおばちゃん、お店のスタッフ、 たまたま道で出会ったお年寄り、こども、ホームレスさん、まず誰とでも。
      
「誰とでも、言葉を交わそう」と積極的に思うようになったのは、15才の冬でした。
     
まだ「国鉄」だった頃の横浜の「桜木町駅」改札口を歩いていました。
朝早く。 バスに乗るために。
なにしろ通っていた学校、朝早かったんです。
修道院の日課にあわせて、7時55分には最初の鐘が鳴っちゃうんですから。
(朝起きるの5時半よ! 今の私からは想像もつかないけど・・・・・我ながら・・・笑)
     
今は明るくきれいな桜木町駅も、当時は古い、暗い、そして横浜特有の「浜風」のせいで
どんより煤けた建物でした。(港ヨコハマは塩を含んだ風が吹くので、全体的にくすんだ街だったのです。 キレイになったのって、割と最近のこと)
冬の曇った早朝、みんな地味なコート姿、手には鞄、白い息、 靴音ばかり。
そのなかで。
    
構内の通路に段ボールを敷いて、4~5人の男の人たちが「酒盛り」してました。
      
「日本3大ドヤ街(がい)」ってご存じ?
東京の「山谷」、横浜の「寿」、関西の釜ヶ崎・いわゆる「あいりん地区」です。 
明治の開国、戦後焼け野原となった横浜、大急ぎで街や港を造らなければならなかった日本の「労務者」の住むところ。 大人の、男の人ばかり。
「手配師」と呼ばれる人たちが、その日その日の「土木仕事」を振り分けて、あっちの工事現場、こっちの荷物積み、働きに行く人を
決めます。 仕事にあぶれたら、その日一日収入はゼロ。
     
そのドヤ街から流れてきたおじさんたちでした。
当時はペットボトルもなく、「ヤンカラ」と呼ばれる焼酎の2合ビン(えーと、泡盛みた
いなもんよ)を手に手にラッパ飲みしながら通る人たちをののしっていました。
サラリーマン風の人には
「朝っぱらから辛気くせえカオしやがって、この野郎!」
「やめちまえ、『お勤め』なんて!」
女の人には卑猥な言葉。
みんな彼らを〈無視〉して通り過ぎて行きました。 「カタギ」の人は忙しいのですから。
    
その中のひとりと私の目線が合ってしまいました。
紺色の制服、黒い靴、メガネ掛けて、手には分厚い学生鞄(なにしろ教科書ノートに辞書4冊、ふざけていっぺん体重計で量ったら15キロ以上あって、ぶっとんだわな・笑)。
「よ、姉ちゃん! 学校なんか行かねえで、こっちきて一緒に呑めよッ!!」
    
「じゃかましいっ!」
なんでとっさに叫んだのだか。 ま、なにしろ私、いざとなったらチャキチャキ江戸っ子。(の、末裔・笑)
「朝っぱらから酒なんぞ呑んでないで、とっとと仕事しろいっ!!」
    
おじさんたちは一瞬黙って、それからドワッ!と笑いました。
「早く、いいからこっち!」
先輩に腕を掴まれて、私はその場を離れました。
足早に歩く背中にいつまでも、笑い声が響いてました。
     
私は、一番言ってはいけないことを言ってしまったのです。 仕事がないから、呑むのです。
もうドヤの簡易宿(ベッドハウス)に払うお金もないから、段ボール敷いて座ってるんです。
未熟なガキの私には、まだその「世の中のしくみ」がちゃんと見えてはいませんでした。
みんなみんな、おじさんたちを、「いない者」として通り過ぎてゆく。
駅の、場所ふさぎで、お酒臭くてやかましい「備品」として。
そのなかで。
私ひとりが初めて「人」としておじさんたちの「言葉」に「応え」た。
だから一瞬の沈黙。 だから、笑った。 哀しい人ほどよく笑う。
おじさんたちは、泣くかわりに、笑ったのです。
     
バス停まで歩く、冬の風が、不思議とほほに一筋つめたい。
たぶん私は泣いていました。
    
私は人と仲良くなるの、たぶん上手な方だと思います。
誰とでも、積極的に、言葉を交わします。
「社交的」ではないんですけど(笑)。

こまどり姉妹2013年02月21日 04:30

きのうの午から頭の中で、「こまどり姉妹」の「涙のラーメン」がぐるぐるだあ~.何故に…?

愛のどん詰まり2013年02月24日 12:40

「愛のどん詰まり」の歌が、結構好きだ。
すくなくとも、砂浜でふたりキャッキャウフフしてるよりは。
私も年をとったんですかね。

中島みゆきの「あした」なんて、もうリピートモードかけて耳から砂吐くくらい好き。
(私はアサリ)
アルバム「夜を往け」よりも弦楽器の入っている「中島みゆきBESTⅡ」版をお勧めします。
「ガラスならあなたの手の中で壊れたい
ナイフならあなたを傷付けながら折れてしまいたい」
なんてな。
「凍えながら、ふたりともが、ふたり分傷ついている」
なんてな、昔愛した人みたいだ。
(しっかり言っておく、フラれたのは私のほうである。)

中条きよしの「うそ」
「折れたタバコの吸い殻で、あなたのうそが分るのよ」
なんて、泥酔して「すきじゃあぁぁ」と人前で抱きついてきた相手を
アルマイトの丸ヤカンでアタマぶん殴った野蛮な私には
(はっきりと言っておく、ふったのは私である)
そんな些細なことで「うそ」が分ってしまうオンナが怖い。
でも名曲だと思う。

ついでに
「折れたタバコの吸い殻で、オカマの意地と書いてみる」
は、いい替え歌だと思う。
ガンバレ新宿二丁目!

クリスマスシーズンに何度も耳にする山下達郎の「クリスマス・イブ」
「♪きっと君はこない」
なんて、はっきり言って失恋の歌なのにみんなよく聴くよなあと思う。
大晦日の夜、横浜港で船が一斉に汽笛を鳴らすのを聴きながら潮風の中抱き合って接吻したのも私。
(きっぱりと言っておくが、この恋愛は両者引き分けで別れました)

なんかね、私「どん詰まり」に御縁がいっぱいあるんだわさ。(笑)

豆腐屋の奥のおいなりさん2013年02月26日 01:55

私の暮らす街には、おいしい豆腐屋さんがあり、そこの「あぶらげ(江戸っ子はひっつめて発音します・笑)」はいつも売り切れご免の人気です。
戦後のヤミ市のなごりで、間口一間半の店の横の細い通路を奥へ行くと、うっすらとむこうの陽が差す開いたシャッター(いつも下30センチくらいしか開いていないので、知らない人にはぜったい分らない)、裏の横町の小さなおいなりさんがあります。
何度か賽銭泥棒が出たので横町向きの入り口は閉じられてしまい、ここだけがおいなりさんに至る唯一の通路です。
夫・ドッコイ氏が長期出張やかなり危険な出張をするときは、必ず油あげと500円玉を奉納しにいきます。
横町の元「蕎麦屋・長徳(「しもたや)」のおいなりさん」なので、決まって開いているドアに向かって
「長徳さ〜ん、お参りしましたよ−!」と声をかけるのがルールです。(油あげがいたむので)
この通路と「おいなりさん出張詣」は私だけの秘密の儀式です(笑)。