ケンタッキー婆さん2012年02月15日 06:19

いや、「婆さん」はあんまりなので「お刀自さま」と言おう。
ケンタッキーフライドチキンM支店で、彼女は私の前に並んでいた。
お刀自さまの順番が来た。
「3個ちょうだい。」
「はい、3ピースでございますね。」
「全部ももで。」
「はい?」
「全部もも肉のとこで。」
「あの、お客さま、当店のシステムは…」
バイトのお姉さん、激しくとまどう。
「各部所の美味しさを味わっていただくため…」
「もも肉が一番美味しいの。全部ももで。」
「…て、て、店長~!」
「全部ももで!」
「店長ォ~ッ!!!」
お姉さん、すでに涙目である。
見届けていたかったのだが、「お後のお客さまこちらへ!」
と隣の列に誘導されてしまい、最後まで見ることが出来なんだ、ちぇっ。

ただ閉店間際のケンタッキーへ仕事帰りに飛込んだら、3ピース全部「あばら肉」だったことに関しては、私も文句言いたいぞ。(笑)

吉野屋婆さん2012年02月15日 15:32

いや、「婆さん」はあんまりなので「お刀自さま」と言おう。
牛丼の吉野屋、飯田橋T八幡支店で、私は"午後イチ"の原稿を出版社に放り込み(「午後イチ」は午後1時の〆切り。「朝イチ」は午前11時の〆切り。)、編集さんと雑談し、だいぶん遅いお昼を食べていたのだ、オンナ一匹並1丁!
出版関係の多いところで、誰も、女客ひとりであろうと、スッピンであろうと、顔にインクがついていようと、服の裾にトーンの切れっ端がついていようと、驚かない。
しかし、1日半ぶりのマトモなご飯をかっ込んでいる私の後から来たお刀自さまは私を驚かせた。

自動ドア・ヴィン!(音)。
「いつもの。」
カウンター「はい、いつものですね、お持ち帰り弁当タマネギ抜き1丁!」
厨房「ハーイ、お持ち帰りタマネギ抜き1丁!」

ここの常連と一発で分るお刀自さまは…キャリーカーを押した九十もつれのお年頃。
ちょいとそこから来た風情、ということは粋な「神楽坂」の女(ひと)!
「神楽坂」とは、横道にそれると「粋な黒塀、見越しの松に三味線の音がチントンシャンと聞こえてきそう」な街のことです。

しかしタマネギ抜きということは…
あー!愛犬と晩ご飯半分こだー!! (犬はタマネギ中毒あるからね)

気がついて振り向いたのは彼女が、ヴィン!と店を出ていく時でした。

たぶんチワワかトイプードルだな、「いつもの」を半分こするお相手は。
牛丼屋で「いつもの」で通っちゃう。粋なお刀自さまにわたしもなってみたい、と思ったのデシタ。