回避睡眠2011年04月18日 21:06

「鬱、ですね。」
「鬱、でしょうね。」
「まあ、この状況では。」
「ですねえ。」
診察室での会話。
ここで、「なんのこれしき」といきり立てるほどのパワーがあれば、十数年難治性鬱病なんてやっていない。
ただ困るのは、その外側に「ものすごく冷静な私」もいることで、新聞を読み、ニュースを見、現状とこれからを考えているのだ。
そして、その「冷静な私」の外側に「えらいこっちゃ!」とパニックの私がいて、そのまた私を一回り外からまた「冷静な私」が観察していて…。
入れ子細工の箱のように、人格が多層化していく。
これを止めるには眠るしかないわけで、私は最近薬の力も借りて眠ってばかりいる。正式には「回避睡眠」というらしい。(ウロオボエ)
眠るのにも、ものすごい体力と気力がいる。
医師に言わせれば「寝るのも大仕事」なんだそうだ。
まあ、そうでなくても「冷静とえらいこっちゃの繰り返し」でものすごく疲れるし。
無駄なパワーだなぁ、と思いつつ、生活のタイムキーパー役ドッコイが日本にいない今、私は「月の輪熊の冬眠」のように眠ってばかりいる。