恋多き2009年05月21日 00:48

そんなに「恋多きヤツ」じゃないのよ、両手の指合わせたくらい。
「惚れっぽいヤツ」じゃないの、いつだって「惚れられるヤツ」なの。

あ〜あ、だけどしょせん「惚れられ上手」は「振られっ下手」なんだわ。
「好きだ好きだ、あなたがいなければ世界が無くなってしまう」と言われた私は
結局は「おまえなんか世界から消えてしまえ」とののしられる運命なのよ。

たいがい「聞き上手だ」ってとこから始まるみたい、みんなどんどんじゃんじゃん自分を語るのよ。他の人には絶対話さないことまで聞かせてくれるの。
で、「じゃ、今度は私の番ね」って私が話し始めると、萎縮しちゃうんだわ。
なんだか、私自身はぼんやり生きてきたのに、はたから聞くと相当毒のある人生みたい。
あたるのね、生きてきた毒気に。
んでもって、後悔するんだわ、たいてい.
みんなものすごい自己嫌悪に陥るパターン。
「自分のことを分かって欲しい」って、あんなに熱く自分を語ったのに。舌は強いのに耳は弱いのね。でも、口はつぐめても耳は自力じゃ閉じられないものね。

山崎まさよしが「One more time」で『桜木町で』と歌うと、泣けるわよ、私。
消防署の裏でも、浜松町でも、新富町でも、四谷駅でも、「町田ジョルナ4階」でも立ちすくむわ。
フリーズドライの心に熱湯注ぐようなものよね、17才でも22才でも27才でも、あっという間にその日の自分に戻っちゃうんだから。
私を去った人たちは、そこんとこまで想像が及んでいたのかしら。

「恋人」というのは人生最大のプロデューサーだと割り切って恋愛できるほど器用じゃないものね。でも、気が付けばその人たちを肥やしに、私は育ってきてはいるんだわ。
過ぎ去った恋は、ひと晩泣いて、3日甘いものを食べて、あとは引きずらないように器用に生きられれば楽なんだけど。

とりあえず、人生の先輩に「清少納言」と「和泉式部」がいる、というのは財産だわね(笑)。「紫式部」?あんまり役に立たない気もするけれども、とりあえずポケットには入れておきましょう。