本は心の窓2011年05月19日 05:21

「密林」で作曲家・宮川泰(ひろし)さんの「若いってすばらしい」というエッセイを1円で購入したのだが、これがヒットであった。
「明るくてやさしくて覚えやすくて爽やかで」とご本人も書いてあるとおり、宮川さんの曲は明るいものが多い。
「クレージーキャッツ」に「ゲバゲバ90分」。作曲は700曲、編曲は1万曲だという。
世代によっては「宇宙戦艦ヤマトの人」と言った方が通りがいいかもしれない。
宮川さんは音楽もだが、文章も分かりやすくて明るくて、ジャーン♪としているのだ。
しかも読んで気がついたのだが、私の好きな「岩谷時子作詞のザ・ピーナツ」をたくさん手がけている。
「ふりむかないで」「恋のバカンス」「恋のフーガ」そしてなんと「ウナ・セラ・ディ東京」。
私は「ウナ・セラ・ディ…」は、「愛の賛歌」を和訳した岩谷さんのこと、アチラモンだとばかり思っていた。
最初「東京たそがれ」で出して全然ヒットしなくて、タイトルを変えたら大ヒット、という伝説もあるし、「ウナ・セラ・ディ」なんて食ったことないモンを頭に持ってこられたりして、「洋モノ」だと信じちゃっていたのである。
それが「曲先」(曲が先に出来てあとから歌詞をつける。昔は「詞先」が主流だった)で、しかもスタジオに入ってからアレンジの都合で6小節間が空いちゃった、というとんでもないハプニング。
そこで岩谷さんが、慌てず騒がず(ホント、上品な作詞家さんだなあ)その場で作ったフレーズが、あの
「街はいつでも 後ろ姿の 幸せばかり」………
ここ、この曲の根幹をなすモノなんですけどっ!!
私、ザ・ピーナツの(「モスラの歌」聴きたさに10枚組買いました、CD。)歌ってるの聴いてここで必ず泣くんですよ~。
それがこんなアクシデントで生まれちゃうなんて。
宮川さんもすごけりゃ岩谷さんもすごい、ザ・ピーナツもすごい、「東京たそがれ」でこけてもあきらめなかったレコード会社もすごい。
「がんばろう日本」のキャッチフレーズは「あきらめません日本」にしてもいいくらい、日本人ってあきらめない。
「気落ちしている時期に、いい本とめぐりあっちゃったなー。」
というのが正直な感想です。
本は心の窓、風を入れなきゃね。