ちあきなおみは凄かった!2015年03月27日 05:12

1991年のちあきなおみには、他を寄せ付けない凄みがあった。
最愛の夫にしてプロデュユーサーの「郷鍈治(ごうたつや)の死の1年前である。
(末期ガン・彼の死後、彼女はひと声も唄って居らず、斎場にも「私も燃やして!」と棺にしがみつく)
いつでも病院の枕音に駆けつけれるように、髪はながしでざんばらりん。
衣裳は主に黒のノースリーブ。
の中で。
彼女はファドを歌い、ラストレーベル「赤い花」を発表し、歌劇「ねえ、あんた」を世に出している。
「ねえ、あんた」は赤線が合法だった時代の売春婦の別れの演劇歌謡。
地方に生まれ、センスが良く、でもそれを気付かない「遊び女(あそびめ)」の別れ歌である。
どの曲も丹念に、心のひだをなぞるようにゆるうりと歌い上げられて行く。
「ちあきなおみ集大成」という気がする。
しかし裏には「何時訪れるか分からない」夫の死があった。

元々冒険好きな人で「夜に急ぐ人」
を発表したり、中島みゆきはじめシンガーソングライターの作詩作曲をとりいれ
(1番ヒットは「中島みゆき」の「「ルージュ」だと想うが)
シャンソン、ファドなどどんどん挑戦していたのであるが。

ラストの1年は、特に濃密に走って居たように想う。
「「黄昏のビギン」(永六輔・中村八大のゴールデンコンビだ)、のCMソングで
「これ唄っているの誰!?」と若手層にまで大騒ぎを起こした彼女だが…

歌い納める大物もいるということだ。
ちあきなおみにはいつまでも「歌伝説」であって欲しい。