ヌードモデルさん2012年03月26日 19:53

私の通っていた学校は貧しい実験校なので、(授業料が国立とどっこいだったり、より安かったりしたこともあった)芸術学科の実習費も3千円しかとらなかった。
「学生は放っておいたら自分で何を学び始めるか」観察しているようなところがあった。

なにせ芸術科は基礎の一般教養(語学とか体育のことよ)以外、卒製か卒論かの8単位だけであとは人間関係学科をとるもよし、経済をとるも良し、文学をとるも良し。

私の同級生(経済学部)なんぞ経済の最低必要単位をとっただけで、あとは油絵の具まみれ、聞いたハナシでは、今青森の喫茶店のマスターだそうであるからして。

で、ヌードデッサンとなると金がない。学生が自主的にやるんである。
数日前から一番人数の少ない、しかも制作のために高台のある日本画研究室のドアに「○日○時にヌードモデルが入ります」。
その日は人数の多い教室から丸いすを各自もってきて、モデルさんが入って、それからドアに「立ち入り禁止」と張り出し、内側から鍵をかけ、さてそれからである。

人数を数え、モデル料を頭割りにして、「ひとり何円」と徴収するのである。
しわくちゃの千円札と百円玉、五十円玉、十円玉をじゃらりと渡されて、モデルさんも帰りの荷物はさぞや重たかろ。

しっかーし!問題はアトリエ棟の屋根のペンキ塗り替中だったことである。
モデルさん、ワンポーズとってから
「天窓のガラスに覗いている人がいます」と。
仰ぎ見れば確かにヘルメットかぶった若い職人の「のぞき魔」(昔はこーゆーの「デバカメ」って言ったんですよ~)が、そそくさと足場に逃げていくところだった。
しかしポーズをとっているときは、じっとして声も上げないモデルさん、プロだったわぁ。

「裸婦ばかりじゃなくたまには男性モデルも呼んでよ!」という要求は、
「男ならオレが脱いじゃるわい!金よこせ!」
「冗談じゃないわよ、あんたの裸なんかお金もらっても描きたくないわよ!」
という先輩のケンカで幕を閉じたのでありました(笑)ちゃんちゃん♪

コメント

_ タグチ ― 2012年03月26日 22:09

いやぁ、ヌードモデルについていくつか思い出した話があって、コメントしようと思ったのですが、
どうも語りたいことがたくさんあって、書ききれなさそうです。
自分とこのブログに記事を書こう。

_ 矢嶋ヨメさんの方 ― 2012年03月26日 22:30

わータグチ先生、楽しみにしておりますよー♪

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