ロンドン空襲時の「彼」の記録2012年03月20日 15:57

第二次世界大戦の資料を集めていたころ。
一本のモノクロビデオテープを見つけた。
ドイツによるロンドン空襲の激しさとそれを耐え抜いたロンドン市民たちの記録映画である。

しかし、ロンドンッ子、一筋縄ではいかない。
ある老婦人のインタビューにこんなのがあった。
「ひどい空襲でねぇ、彼はひどく興奮して地下壕へ転がり込んできたわ。」
「でしょうね。」
「で、係の者が紅茶を一杯差し出したらそれを一気に呑み干して、少し落ち着いたようだったわ。元気も取り戻したみたい~。」
「なるほど、そうでしょう。」
「で、係の人の腕にかみついたのよ~。」
「彼が?!」
「ペットのサルよぉ~。可哀想に飼い主空襲では死んでしまってねぇ。
でもいいこともあったわ、叔父さんが見つかったのよ~!」
「………
サルの叔父さんですか?」
「飼い主のよ~、ホッッホッホ。」

こういう国はまず戦争に負けない。