支援物資の確保と発送(コピー)2016年04月20日 15:46

友人に、東日本大震災の際、首都圏から東北へ物資を送った人がいる。
彼女の、その時の記録が、今後非常に役に立つと思われるのでコピーさせていただいた。なおこれはコピーフリーとするので、それぞれのブログで、広める人は広めて欲しい。


「2011年4月17日のこと ~ 支援物資の確保と発送 ~」

この話は来年にでもまとめようと思っていたが、熊本や大分で大きな地震が発生し、これから道路が通れるようになれば、支援物資を送る方たちが増えるだろう。
2011年の震災で、宮城県気仙沼市で被災されたご一家に、私がお送りした支援物資の事例が何かのヒントになればと思い、書いてみる。

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「やっとつながったよ~。」

2011年4月17日のお昼時、気仙沼から1本の電話が入った。
いつもと変わらない、上品な明るい声。
家族ぐるみでお付き合いのある、気仙沼の三世代ご一家のおばあ様からだ。

「家も職場も車も全部なくなったけど、みんな命だけは助かったのよ~。」

津波警報の中、着の身着のままで避難し、避難先の周辺が全て海になってしまったため、地震発生から数日して救出されたという。

「避難した場所には、非常用の食料も水もあったんだけど、置いておいたのが1階とか2階だったから、全部津波で持って行かれたのよ。だから救助が来るまでの3日間は食べるものも飲むものもなくて、みんなお腹すいたお腹すいたって言ってたわ。」

3月11日の震災発生時には、テレビのニュースに「死亡者」としてお名前が出ていたが、「いや、たぶん生きてるよ。」と、生きていてほしいという期待や願望とは全く違う、淡々とした妙な確証があったので、向こうから連絡が来るのを待っていた。

避難所で生活していらっしゃるのかと思ったが、幸い同じ市内でも山の中の住宅には津波の影響がなかったそうで、息子さんご一家は高台のご親戚の家へ、おばあ様と旦那様は趣味のために買っていた小屋を改造して住んでいるとのこと。

「取引先が東京から来て、歯ブラシとか水とか持ってきてくれてねえ…。私たちは避難場所で生活していないから、避難場所に届く物資はもらえないのよ。」

物資をもらえないなら買うしかない。
が、この時の気仙沼市内は、一番大きなスーパーのイオンが津波で1階が壊滅状態になって、買い物ができない状況だったり(本当は津波が届くような場所ではない)、地元の小さなスーパーが食料品や日用品をいくつか袋詰めにしたものを、1袋1000円としてお店の軒先で販売していたりと、地震から1か月経過した後でも必要なものが買える状況ではなかった。
輸送状況もひどく、ガソリンが不足していて、たとえガソリンスタンドにガソリンがあっても、当時の政府は、
「緊急車両以外の補給は認めない。」
と、一般市民や運送業者に卸さなかったため、なおさら物は届かない。

「まあ、缶詰とか、カップラーメンとか食べてるけどね。野菜なんて限られたものしか手に入らないし…。」

そんな食生活が1か月以上続いているのでは、健康状態がとても心配だ。
宅急便やゆうパックは送れない状況だったが、郵便局が頑張っていて、「定形外郵便」だったら被災地でも受取ができることはこの時分かっていた。
定形外郵便なら届くと聞いているから、こちらからぜひ何か送らせてほしい、必要なものはなんでも言ってほしい、と話すと最初は遠慮されていたが、これはあるか、あれはあるかと「具体的に問いかける」(←これが重要)と、ようやくぽつぽつと希望を出してくれ、電話を終えた後は速攻で物資の確保に走った。

<実際に要望されたもの>
◆男性用の防寒下着と靴下◆
3月や4月の気仙沼はまだ寒い。
2011年は震災発生日に雪が降るくらいで、4月になっても低温が続いていた。
暖房もろくに使えない状況で、おばあ様の旦那様は毎日とても寒い思いをされていたため、「あったかい下着や靴下が2枚くらいあれば」という。
サイズや形状の好みを聞き、買いに走ったが、靴下は簡単に見つかったものの、4月の東京はポカポカの春で、冬物の防寒下着が売り場から消えている。
ユニクロもヒートテックを片づけてしまった。
こうなればとにかくお店を回るしかない。
3軒目のイトーヨーカドーで、最終冬物処分のコーナーに、要望どおりのタイプの下着を3点見つけた時は本当にほっとした。
その時の気候に合う下着の確保は、健康を維持するための大切な要素だから。

◆女性用の下着◆
着の身着のままで避難され、着替えも買えない状況だったため、女性用の下着も上下2枚ずつあれば…とのお話で、お安い御用と走ったのだが、これも苦戦した。
女性の皆さんはご存知のとおり、女性用の下着はシャツ1枚とっても種類が細かく分かれる。
普段着なれた形のシャツをと、要望されたフレンチ袖(注:『半袖』にあらず)のシャツを探したのだが、スーパーも百貨店もあれだけ物があるのに、とんと見当たらないのはまいった。
通販ならいくらでも買えるが、待っている時間はない。
下着売り場を処分価格の棚やワゴンまで目を皿にして探して、上下ともに要望よりちょっとだけ多い4枚ずつで確保できた。
被災して大変な時だからこそ、ふだん着なれているものが大事になる。

◆洗濯洗剤◆
「アタック」の液体洗剤が欲しいと言われたが、本体はボトル型で、定形外郵便で出すにはちょっと無理がある。
空き容器があるから詰め替えでも大丈夫と言われ、詰め替えとコンパクトボトル本体をそれぞれ送ろうとしたが、ボトル本体の方は受付不可で、詰め替えだけが届けられた。
水が使え、衣類を手洗いできる状況だったから要望されたのだろう。

<こちらで勝手に追加したもの>
実際に要望されたものを見て分かるとおり、着の身着のままで支援の手もなく、親戚同士の助け合いだけで生活している状況で、要望がこれだけというのはいくらなんでも少なすぎる。
他にはないのかと聞いても、一事が万事控えめで要望を聞き出すことが難しい。
なので、勝手ながらこちらで選んだものも一緒に送ることにした。
その代表的なものがこちら。

◆おすすめその1:明治の「まるごと野菜」!◆
話を聞いて深刻だと思ったのは野菜不足。
葉物野菜やトマトのような日持ちのしない野菜は売っておらず、じゃがいもやタマネギ、にんじんだけでは体が持たない。
幸いこのご夫婦は、「あったかいトマトスープ」がお好きな方たちだったので、明治で出している「まるごと野菜」というレトルトの野菜スープを送ることにした。
この野菜スープはミネストローネやシチュー、シンプルなコンソメ仕立てなど、大体3種類~5種類くらい出ていて、文字どおり野菜がたっぷり入っている(70グラムから100グラム)ため、非常に満足感が高い。
平べったい形なので、定形外の封筒にも入れて送りやすかった。
これはぜひ、普段の生活で使いつつ、日常的に備えておいた方がいい1品だ。

◆おすすめその2:北海道アンテナショップのかぼちゃ◆
ちょっとこの方法は使える地域が限られてしまうが、もし身近にあるならおすすめしたいのがこの場所。
東京や神奈川もまだ、お店に並ぶ品物に偏りがある時期で、乾物の野菜とか、水煮の野菜などがなかなか買えず、困ったときにひらめいたのが北海道のアンテナショップだった。
東京には様々な地域から、特産品を売るアンテナショップが出店しているが、北海道のアンテナショップは都内以外にも埼玉や仙台、名古屋、と比較的手広く展開している。
海のものも山のものも豊富に取り扱っているが、この時とても助かったのが、一口サイズに切ったかぼちゃの真空パック。
加熱済みなので、そのまま食べても大丈夫だし、調味料を入れて簡単に煮物も作れる。
調理済みの1品としても、食材としても使える汎用性は非常にありがたかった。
ちなみに、真空パックにはイカにたっぷりごはんを詰めたイカメシもあったので、イカがお好きな方にはおすすめしておく。

◆おすすめその3:チューインガムとタブレットミント◆
義歯や詰め物をしている人には、歯に付かない錠剤型のミントの方がいいと思うが、食べられるならチューインガムがあると便利。
災害が起きると、歯を磨く水の確保さえ難しくなるし、先の見えない日が1日過ぎるごとに、イライラもつのるだろう。
そんな時に役に立つのがガム。
噛むことで、口の中がさっぱりするし、イライラの解消や口さみしい感じも和らげることができる。
自分が食べなくても、誰かに気軽にあげられるコミュニケーションツールにもなる。
この時は、大人向けにミント、子供向けにフルーツ味など、いくつか取り混ぜて送った。

◆おすすめその4:りんごやみかんのドライフルーツと、パウチタイプのミックスフルーツ◆
本当は日持ちのする柑橘類を送りたかったのだが、定形外郵便では送れないし、輸送環境を考えると、気温の変化で傷みそうだ。
缶詰も大きなものは無理で、小さな平べったいタイプしか送れない。
そこで助かったのがドライフルーツと、シロップ漬けのミックスフルーツをパウチに詰めたもの。
ドライフルーツは、生の果物を干して、栄養価が高くなっている。
レーズンやプルーンは独特の癖があり、好き嫌いが分かれるが、最近は国産のリンゴやみかんのドライフルーツやセミドライフルーツ(半生)がコンビニでも売られるようになり、それだとドライフルーツを初めて食べる人でも、食べなれた味でホッとすると思う。
シロップ漬けのミックスフルーツは、形がある果物を食べたい時に使え、定形外で簡単に遅れるので便利だ。

◆おすすめその5:文具◆
このご一家は自営業だったため、職場も流されたのでは簡単な事務用品にも困るだろうと、食料と合わせて、ボールペン(黒、青、赤)やメモ帳、蛍光ペン、蛍光色の付箋なども送ったのだが、この判断は後で正解だったと分かった。
非常持ち出し袋では、どうしても水や食料、衣類、電池に目が行きがちだが、いざ被災した時に困るものの1つは文房具。
実際被災した方たちからは、避難所で様々な連絡が流されたり、貼りだされたりしても、書き留めるメモやペンがなく困ったという声が聞かれた。
「着の身着のまま」は、自分の身にその時身に着けているもの以外は、本当に何1つなくなる状態なのだ。
ご要望頂いた品物と、こちらで勝手に選んだ品物は、定形外郵便約10通に分割して送り、幸いにして1つも欠けることなく気仙沼に届いた。

熊本や大分は、現在は企業や自治体、自衛隊などのまとまった組織の、大規模な支援の手が必要とされていて、小回りの利く、外部から個々のボランティアの手を必要とするのは、まだ先になるだろう。
必要とされた時のために、自分が無理なくできることは何か、今考えながら備えるのが良さそうだ。

ちゃぶ台返し2016年04月23日 15:34

星一徹の秘技「ちゃぶ台返し」は
飛雄馬をなぐりつつ返すことが判明。
明子お姉ちゃん夕食作り直し。
これがなきゃ、もちっと貧乏でないのに。

日赤 熊本震災郵便振込先2016年04月23日 19:48

やっと出た。

いや、「消費税上げる上げない」で問題で内閣が「大震災ではない」とコメントしたので(じゃあ9万人の避難者はなんなのさ)、手数料無料、南大東島からでも礼文島からでも送れる義援金の郵便口座が作られないんじゃないかと心配してたんだ。

日赤の義援金受付は以下の通りです

下記の方法によりご協力ください。

※受領証の分割発行はいたしかねますのでご了承ください。
※下記1、2、5、6にお振り込みの義援金は、被災の程度に応じて按分したうえで各被災県に設置された義援金配分委員会へ届けられます。
※下記3、4の各県支部専用口座にお振り込みの義援金は該当県の義援金配分委員会へ届けられます。

1.郵便振替(ゆうちょ銀行・郵便局)

口座記号番号 00130-4-265072

口座加入者名 日赤平成28年熊本地震災害義援金

※窓口でのお振り込みの場合は、振込手数料は免除されます。
(ATMによる通常払込みおよびゆうちょダイレクトをご利用の場合は、所定の振込手数料がかかります)
※窓口でお受け取りいただきました半券は、受領証に替えることができます。
(寄附金控除申請の際にご利用いただけますので、大切に保管してください。)
※窓口以外(ゆうちょダイレクト等)でのお振込みで受領証をご希望の場合は、「受領証希望」の旨と下記①~⑧を日本赤十字社パートナーシップ推進部あてFAXにてご連絡をお願いいたします

①義援金名 ②氏名(受領証の宛名) ③住所 ④電話番号
⑤寄付日 ⑥寄付額 ⑦振込人名 ⑧口座番号


以上です。
1円玉・5円玉貯金でもいいけどさ、「貧者の一灯」もありだけどさ、可能な人はひとつの目安として「自分の稼ぎ3日分」を送ってみないか。

失業中の我が家の提案、というのが大笑いなんだけれど。

そろそろ「大人の義援金振り込みマナー」があってもいいんじゃないかな?

年金暮らしの母・芳子さんの場合は、年金生活をきりつめて、「1年間毎月1万円がマイ・ルール」です。

ワオキツネザルって可愛いな2016年04月25日 02:30

「ここよ、ここ、ここだってば!もっと!」
のワオキツネザルがカワイイ(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=sdrIc8jT0vc&feature=youtu.be

襲われているようにみえる2016年04月27日 16:12

レッドマン・・・記憶にない円谷ヒーロー

これなんか怪獣から2016年04月27日 16:15

走って逃げてるし

絶体絶命2016年04月27日 16:17

うしろから肩に手かけられてるし!

田口輝彦さんの個展に行ってきました2016年04月29日 17:58

連休初日、案内のお葉書をいただいた造形作家・田口輝彦さんの個展に行ってきました。
場所は、都心にまだこんな古風な建物が遺っていたの?という、神楽坂「AYUMI GALLERY」木立と六角形の張り出し窓がおしゃれです。
(地下鉄東西線・「神楽坂駅」矢来出口と神楽坂出口の間・神楽坂だから一本道)

今回は中世ヨーロッパをモチーフに、ラッパ吹き、太鼓、ハープ、一輪車などが、あたたかい木彫り彩色の猫やウサギで構成されています。

4/29~5/4(金)まで。
神楽坂のそぞろ歩きに、ふと足を止めて暖かいひとときを・・・オススメです。

田口輝彦さんのブログ「造形作家な日々」はこちら
http://hibizoukei.jimdo.com/