桜餅の葉2016年03月07日 21:29

おもしろいことに桜餅をくるむあの塩漬けの桜の葉、
「30代以上:食べる・20代以下:食べない」とはっきり分かれるそうだ。
30年前日本の食生活は、微妙なテクスチュアのひとつを切り捨てたと思われる。
桜の葉の塩味と香りが桜餅の味を引き立てる。
西国はつぶつぶ道明寺、東は餅菓子だったり、隅田川言問橋袂の長命寺のように「薄皮を焼いてあんをつつんだもの」を3枚もの桜の葉でくるんだものだったりする。

この店、昔々昭和天皇がおしのびで2階の座敷に通されたとき「皮をむいてお召し上がりください」と言われて、くるっと「隅田川の方を向いて食べた」という都市伝説が残っている。

3枚はさすがに多い。全部食べるのは「エクストラ・ドライ」である。
私は1枚はがして「ドライ」派。
1枚遺すのが「マイルド」、全部むいちゃって残り香で食べるのが「スウィート」。
桜の葉の塩漬けは、70%松崎町・30%南伊豆と、100%伊豆半島産。
裏に産毛がない「大島桜」を使う。収穫しやすいように桜林は高さ1メートルほど、手摘み、束ね、大きな樽に塩漬けまで、全部手作業。
利の薄い、手作業腰しごとゆえ、年々品薄になっているという。
だからといって、こればかりは、「ウナギよろしく外国産」という気持ちになれないのだ。

1枚の葉に手間暇丹精こめられております。
捨てるなどともったいないことを言わないで、味わってくだされ、お若い方々よ。

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