駆け落ち・夢2015年04月23日 12:46

気鬱な夜には「駆け落ちする夢」を考える。

そう、天皇陛下大好き大日本帝国大好きの
「日の丸、君が代の大切さを考えねばならん!」
が口グセだったお義父さんから
かっさらうように
私は夫と結婚したのだった。
ここは自由な東京です、お義父さん。
あなたの大切な息子は東京人
もう因習しがらむ田舎へは骨を埋めません。

駆け落ちするのだ、手に手を取って。
産まれて来た街をふたり同時に捨てるの。
もう帰れない。

とりあえず
小さな不動産屋に飛び込んで
独り者のふりをして
狭い北向きの部屋を借りるんだわ、私たち。
それから
コンビニに飛び込んで
「植物物語。リンスインワン」なんてシャンプー買って、
「とりあえず、私銭湯行くわ」なんて
(風呂のない部屋なのだ、銭湯のある街なのだ)
湯船につかって
ぼんやり明日からのことを
考えてしまうけれど、考えないふりをする。
「出ます、出します、パーラー○○」
なんて看板を、
ぼんやり観ている。
捨て去った親のことは
考えると泣いてしまうから、考えない。

脱衣所に戻って
ドライヤーで濡れ髪を乾かし、

きっと今夜
彼は私を抱くんだわ刹那的に。

駆け落ちの夢
ああ、こんなにも
私はひとりぼっちだ。

愛されているのに。

今夜は薄い毛布にくるまって
ふたりで
見えない未来のこと夢語るの。

駆け落ちの夢
こんなの観るのは

私が年とってしまったからか
まだ若いからか。

とにかく私は夢見る
ままならない現実を
リセットするために。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック