寺と骨2011年10月19日 18:04

またお寺の話。

私は中高一貫の女子校出身であるが、『女子校』というのは「男子のいない女子ノリ過剰」と「男子なしでも何とか解決するバンカラさ」との入り交じった世界である。

さて、2年生の時だったと思うが、社会科見学は「鎌倉の歴史巡り」であった。
「先生、現地集合でいいですか?ウチ円覚寺の隣なんです。」
という子もいて(許可された)横浜の学校だから、鎌倉は「お隣さん」という感じ。
歴史の授業の延長で、大仏様や覚寺や建長寺、とにかくやたら寺を巡りまくった。

「ここは北条氏の権力争いの集結地、無念の思いを抱いて逝った人達の墓が並んでいる。」というお寺(名前忘れた)でのこと。
みっしりとそびえる木立は緑したたる影をつくり、細くさす光が無念の墓石を照らす。

と。
墓の前に何か小さい白いものが…

「骨」であった!

「キャ~、骨よ、骨ッ!」
「恐~い!」
「北条の祟りだわ!」
「ヒエ~!」
とパニックになったのであるが、その中でひとり、学年で一番美少年(笑)で沈着冷静なH嬢がつかつかと歩み寄り…

それを手に取った!

あまりのことに周囲は沈黙である。

「骨だわ。」
ザワッ。

「…コロモがついている。」

「だれよお寺でケンタッキーなんか食べたの~っ!!」(4倍角)

乙女らの大ブーイングで一件落着。

「古刹巡りでケンタッキーフライドチキンの食べ歩きはやめましょう。」
という教訓を残して、社会科見学は終わった。

後日のレポート提出で、「骨」の印象があまりにも強すぎて、みんなさんざんな成績だったのは言うまでもない。