東京の、昔の夏2011年08月30日 10:43

私が子供だった頃、東京の夏は、昨今のような「酷暑」ではなかった。
昼間は暑かったが、湿度は低く、夜になると東京湾からの浜風が練馬や世田谷の方まで吹き、エアコン(あの頃はクーラーと言ったな)どころか扇風機すらいらなかった。
寝床に蚊帳を吊り、豚の形の蚊取り線香焚きに火を入れて、子供は8時に眠った。
団地には鳩時計のように、
「8時だ子供はみんな寝ろ~!」
と窓からどなる男の子がいて、それがどうしたものかある夜
「8時だ子供はみんな死ね~!」
と言って、それが何日も御近所の笑い話になっていた。のどかなもんである。

風を遮る高層建築がなかった。
「今度建つ霞ヶ関ビルは36階建てだってさ!」
とみんなそれに驚いていたのだから、今の超高層ビルが林立する東京など誰も想像だにしていなかった。

数年前、汐留のJR貨物駅の跡地が(ものすごく広い)開発されたのだが、間の抜けたことに風の通り道を考慮せずてんでばらばらに建ててしまったので、中央区の夏の気温は1度上がったという。

1度といったら大変なものである。
その1度を埋めるために中央区の住人はエアコンを強くかけ、その熱風と1度高い浜風が中央区以西の地域に吹き、そこもエアコンをつけ、これはもう熱の負の連鎖である。
誰かビルを建てる前に気づく常識人はいなかったものか。
とにかく東京は暑い。
今日あたりやっと、日なたは暑いが日陰は涼しく、湿度の低い、「懐かしい夏日より」なのだが、これもいつまで続くのだろう。

気象庁によると今年は残暑も強いという。
くやしいことに最近の気象庁は当たるんである。
東京は明日から台風の影響でしばらく雨が続き、そのあとまた暑さが戻ってくるのだろうか。

言ってもしょうもないことだけど、そろそろ夏にあきました。

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