「かまま」と「めめくん」2010年05月17日 01:08

幼いころ、子守唄の記憶はない。
母は天性のオンチである。
最近福山雅治のCDを一緒になって歌っているので、80にして改善されつつある。
好きこそものの何とやらで、人間80でも進化するのだと驚いている今日この頃。

・・・・じゃなかった、子守唄である。
歌わなかった代わりに、「ねんねんよ〜、めめくん」というのがあった。
布団に添い寝して、こちらの目を手のひらで覆って「ねんねんよ〜」、
ぱっと開いて「めめくん」。
「いないないばあ」の逆バージョンである。
これで、目をつぶっても、まぶたを開けば母がそこにいると思って、安心して寝てしまう。
子育ての上手い母であった。

私は6才まで母のことを「かまま」と呼んでいた。
お向かいのお姉さんが「おかあさま」と呼んでいたのが移って、舌ったらずで「かまま」になったらしい。
もう周囲は「パパ・ママ」の時代だったのだが、友達のお母さんは
「○○くんのママ」
でも、自分の母だけは特別に「かまま」だった。
7才になったとき父から
「きょうからはお父さん・お母さんと呼びなさい。」
と言われたので、気が付いたら「ママ」と呼んだことはない。
なんで父がそんなことを命じたかというと、なんのこっちゃない、父自身尋常小学校にあがるまで
「ととさま・かかさま」
と呼んでいて、回りの「とうちゃん・かあちゃん組」(下町育ち)に笑われたから、というものであった。

私は、もしも認知症になって老人ホームに入ったら
「かままはどこ?」とか「めめくんして」とか言って、スタッフを困らせるのであろう。

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