シンデレラの悟り・エアポート編2010年04月25日 00:03

「シンデレラ・エクスプレス」といえば、東京〜新大阪間の最終新幹線である。
離ればなれの恋人たちがホームで抱き合ったりしているのだが、ここはまあ、仕事もあるし、恋もあるしで、大人は見て見ぬふり。
遠ざかるから深まる恋愛もあることだし。

しかし、私のシンデレラ・エアポートはそんな優雅なものじゃなかった。

ドッコイが月曜朝一番に大阪で会議、その資料作りにトラブルがあったので、私は日曜日朝から会社に忍び込み、コピー機ブィンブィンいわせて書類作りを手伝っていた。
羽田発大阪行き最終便ぎりぎりである。外は雪だったのが雨に変わって、地面はぐしゃぐしゃだった。
とにかく刷り終わり、大量の資料を紙の手提げに突っ込んで、上野広小路までいってなんとかタクシーを拾った、ここでドッコイが紙袋の底をいっぺんびちょびちょの地面につけてしまったのである。

羽田について、降りようとした途端に、袋の底がぬけた。
そのまま両手で抱えて、空港に転がり込み探すが、ガランとしたロビーの売店はみんな閉まっている。
私はとっさに何か「不思議なカン」が働いて、ゴミ箱に首をつっこんだ。

ドッコイのお里でやった披露宴の引き出物はお義父さんが決めて、なんと
「1人1枚高級毛布ドーンとお持ち帰り」
だったのである。(ま、土地の風習とかいろいろあるんだな、これが)式場のおひらき口で、花嫁姿のまま、遠来の方を宅配便の受付まで誘導した私。
絶対いる!
でっかい引き出物を空港から宅配便で出した人が!

ありました、白地に金で「寿」とプリントした高級防水手提げ袋!!

それに書類をドサッと入れて、ドッコイは手を振りながら走って最終便のゲートをくぐっていった。

「寿袋」出張で、商談は成立したそうな。

めでたし、めでたし。