常備菜2009年07月02日 19:36

いまさっきまで「豚バラ肉の千切りと辛子高菜の麺つゆ炒め煮」を作っていた。
我が家ではこれが常備菜で、熱々のご飯にのせたり、卵焼きになったり、チャーハンになったり、する。「辛子高菜」もいろいろだが、「仟(せん)」というメーカーの「辛かもん」という、赤唐辛子も漬け込んだ、辛さ5ッ星のヤツでなければダメで、以前は駅前のスーパーで買えたのが、今では車で往復2時間の旅をしなければ入手不可能になってしまった。
「買い物」というより「小旅行のお土産」みたいなモンである(笑)。

「常備菜」という言葉そのものが、スーパーやコンビニがあたりまえになってしまった日本の食卓では失われてゆくものなのだろうか。
メインディッシュの横に、きんぴらゴボウ、「だし」を取るたびたまる昆布を冷凍しといて、四角く小さく刻んで甘辛く豆と煮たり、ちりめんじゃことピーマンを醤油で炒めたり、ひじきとニンジンを煮付けたり、とにかく「冷蔵庫の中で最低4日は保って、忙しい朝やお弁当に登場する『我が家専属の働き者のこびとさん』みたいなオカズ」のことである。

「他人の家のメシを食うと、人間太くなる」というが、若い頃は、友人のアパートや漫画家の仕事場、外国人タレント専門の(なにしろ「コーシャ(おまじない)してなきゃだめ・ユダヤ」だの「牛肉ダメ・インド」などいろいろである)スタジオなんてとこまで、あちこちで食事をした。(だから「おなかも」太くなったよ、ホントに・笑)

ほんわか友人たちとの鍋パーティーから、一分一秒を争うド修羅場片手でおにぎり食い、たらたらと出番待ちの時間つぶし、「強行スケジュールでもう昼夜逆転・真夜中の午ご飯」なんてのまで、情況もいろいろ。
そうして、いろいろなひとと、いろいろな人が作った料理を体験してゆくと、テーブルを囲む人、料理を作る人の子供時代が見えてきて、おもしろかった。

なかでも、漫画家さんにひとり「常備菜の天才!」って人がいて、聞いたら4世代大家族のなかで、おばあちゃんの料理を手伝いながら育った、ということだった。
さすがである。

「常備菜」、これは消費形態の変遷に押されて消えてゆく運命にあるのかもしれないけれど、可能な限り伝えてゆきたい。

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