緑の乳輪2016年02月05日 11:36

昔私はエアコンを持っていなかった。
団地の5階、根の前が原っぱ、川、森。
背中はケヤキの茂った広い公園。
自然に吹く風でなんとかしのげたんである。

が、漫画書きの仕事は背中を丸めてカリカリやるので、首のまわりから胸までは汗だくだく、アセモだらけである。

しかもその頃私はある月刊漫画誌の表紙をまかされていたので、今ではめずらしくもない(?)空輸便の「VOGUE」は取り寄せるは、昼間はスタイリストさんとち合わせで表参道やら代官山やら行くは、で、半年先の流行りを読みながら3月先のファッションを描いて、出版2ヶ月前に入稿。(表紙は上からタイトルやら小さなイラストやら色々手が入るので普通のカラーページより1月早い)

ものすごい暑い夜だっった。 しかし描いているのは11月号の表紙である。 反りがあってはまずいのでイラストボードに、発色が良いように水溶性のカラーインクで、しかも構成の都合で上下左右ふつうのカラー原稿よりう〜んとゆとりをもたせて大きめに描く。
身長156センチの私には、上の方の筆運びはもう中腰である。

手前の女の子(主役であるな)は、その秋流行るであろう茶色のタートルネックセーターに緑のベスト。
寄り添う(脇役であるな)の男の子はアラン編みの生成のセーターにボンベイ染めのシャツ。
ボンベイ染めは、滲みのあるチェックで、水を引いては色を入れ、乾いたらまた水を引いては色を入れ。
あまりの暑さに、もうこんな真夜誰も見るまいとて上半身裸で作業をしていたのである、が。

ふぃ〜っと息を上げて、これで完成かな?と思ったら。
女の子の緑のベストの下の方に、私が描いた覚えのない模様が2つ。

ふと我が身を見る。 見下ろす。
塗った覚えのない緑が2カ所。

おっぱい、ありますね。 乳首の回りに「乳輪」と呼ばれるメラニン色素の輪、ありますね。 そこに集中してあるんですはな、汗腺。

まさかここまでは印刷ずれないだろうと思いつつも下の方塗った女の子のベストが私の乳首の間隔で白く色ぬけしていた。

私は自分のおっぱいの汗腺の数を知っているオンナです。

でも誰にも教えてあげません(笑)。

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