ローマのこどもの日2012年05月05日 13:26

貧乏旅行でオフシーズンの1月にローマに行った。
寒い寒い、太陽は遅くに登りトットと沈んでしまう。しかも連日曇りである。

私にとってローマは「空がどんより低く、寒く、フランス語が通用しない街である(これとカタコトの英語しか話せない。フランス語もカタコトですが・笑)
ただ、確か8日だったと思うが「三人の博士がイエスキリストに貢ぎ物を持って来た日」だそうでクリスマスの最終日、細長いトリノ広場で「おもちゃ市」が立っていた。
その日がイタリアでは「こどもの日」だったんである。

もう暮れてきてそろそろおしまいらしく市場にはひとけもほとんどなかったが、道行く親子連れなど、子供たちが「はらぺこあおむし」のぬいぐるみやプラスチックの機関銃を持って、嬉しそうにはしゃいでいた。

露店ではただ一軒、「ファミコン」のソフトを売る店が一番端にあるだけで、閑古鳥が啼いていた頃の話である。
マリオブラザーズのソフトがあった。
その後「世界中の子供たちから貴重な時を何十億時間も奪い取ったピーチ姫」には今の私は文句を言いたいぞ(笑)。
何度さらわれりゃ気がすむんだ、アホめ。(笑)

駅前には大きめな「キリスト誕生」の人形たちがセットしてあって(羊も牛も馬もいたぞ)日毎に少しずつ登場人物を替え、厩の上の流れ星が毎日少しずつ進んでいく、それを取り巻く鎖を繋ぐステンレスのポールが口をちょっと切った貯金箱みたいになっていて、道行く人達はポケットから小銭を入れていく、という、とても気の利いた造りになっていた。
景気はどん底で、移民であふれかえり、治安は最悪、ロマ族の子供たちのかっぱらいが横行していたが、宿でみるお笑い番組などは言葉が分らないのにとても面白く、
「ああ、『ローマの休日』の国だなー。この国は何があっても大丈夫だわ」と思った記憶がある。
つい昨日見たイメージの、あのときトリノ広場の「おもちゃ市」の帰り、買ってもらったおもちゃを大切そうに胸に抱きしめて笑顔で歩いていた子供たちが、今のイタリアを動かしている。

光陰矢のごとし。

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